ホーム  >  

耐病性品種の栽培について

コレクト

  • 耐病性は、特定の病気に対しての強さであり、その他の病気も含め生育初期から総合的な予防防除を行うことが必要であり且つ大切です。
  • 苗は、必ずドブ(溝)漬け等で、鉢の芯まで十分に濡らしてから定植を行う。
    特に購入苗は、苗到着後直ちに鉢潅水を行い、育苗ハウス等で鉢間を広げ光線を当てておくことが望ましい。
  • 定植後の活着を、よりスムーズに行うことが重要で、この事が耐病性品種で成功を収めるために最も大切な事項となります。特に、過度な低地温や乾燥による生育抑制を避け、葉はやや大きめで葉肉を厚く作ることがポイントで、葉が小さ過ぎる場合は品種の能力を発揮することが難しくなります。

促成・半促成栽培におけるポイント

定植時の潅水・温度管理

  • 定植前に鉢下50㎝位の深さまで土壌水分を十分確保したうえ、マルチをしてハウスを閉めきり、
    深さ20㎝の最低地温が18~20℃を確保した状態にする。
  • 定植直後は、カーテンを利用し日中の温度 30~35℃、湿度80~90%を確保維持する。
    (株元だけでなく通路への散水も行う。)
  • 株元潅水は、水温20~25℃で行うことが望ましい、冷水(10℃以下)の多量潅水は避ける。
    またこの際に、微量要素を含む薄い液肥を与え、葉色・葉艶の良い素直な活着と初期生育をさせる。

活着後、節間伸長期に入っても温度・湿度を下げ過ぎず、夕方は温度(15℃以上)を確保し、果実の肥大と側枝の伸長、葉の展開がスムーズになるように管理を行って下さい。

  • 午前中30℃前後で湿度を確保した状態を保った後、カーテンの開閉や換気を緩やかに行い、湿度を徐々に抜いていくことで、根を活性させ温湿度変化に対応できる草勢を作る。

果実肥大期

  • 加温の場合
    夜間の最低温度は、実温で13℃以上を確保する。
  • 無加温の場合
    内張りカーテンやトンネル被覆等で保温を行い、夕方のハウス内温度は20℃を確保するように努める
  • 潅水は、湿度不足と地温低下に注意しながら少量多潅水を心がける。また主枝の果実と子枝の果実肥大が同時に始まるころより、株元の乾き過ぎに注意しながらベッド肩部分への潅水量を増やして、追肥も積極的に行う。

ハウス抑制栽培におけるポイント

定植時、強光線や高温乾燥条件による過度なストレスで、生育抑制や障害を起こさないように注意してスムーズな活着をさせることが大切です。

  • 定植前に十分な潅水を行い、必ず鉢下50㎝位の深さまで水分が浸みた状態で定植を行う。
  • 定植直後は、異常高温に注意し換気を行うと同時に、株元潅水はもちろん通路散水を行い空中湿度の確保に努める。またカーテン・遮光資材等を使い光線を弱めて、葉焼け・芯焼けを起こさないように注意する。
  • ベッドの乾燥防止のため定植前からマルチを行う場合、地温が上がり過ぎると根張りや水分吸収に弊害をおこし、生育不良となるためマルチの利用については注意する (地温上昇抑制効果のあるマルチの利用等)。また潅水は、高温条件等により一日に数回行ったり、必要に応じて散水による空中湿度の確保を行うことも必要です。
  • 収量のピークが大きくなり易いので、活着後も水分の控え過ぎによる過度な生育抑制に注意し、果実肥大が始まる頃より追肥・潅水を行い素直に生育させる。

夏秋栽培におけるポイント

  • マルチをする際には、降雨後など十分な底水がある状態で行う。
  • 定植後は乾き過ぎないように、積極的に株元潅水を行う。
  • 一番果の雌花着果節位は、完全活着を確認し、節間長が伸び始めた次の節位から着果させる。
    特に早すぎる着果負担は草勢を弱め、側枝発生の遅れにつながるので注意する。
  • 葉は大きく作り、側枝の発生を確認し、混み合えば摘葉を行い生長点と新葉に光線を当てる。
  • 収穫が始まったら積極的に追肥を行う。
    特に下段側枝の開花期には集中して追肥を行い、その後も肥切れのないように継続して
    バランスの良い施肥を行っていく。
褐斑病耐病性比較 左奥側と手前 ウドンコ病耐病性比較 左側と右側